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中性脂肪を改善するために

健康診断で「中性脂肪が高い」といわれると、食事で摂る脂肪の量を減らすように心がける人が多いようです。しかし、食事で摂る脂肪を控えれば血液中の中性脂肪は減るのでしょうか?食生活やライフスタイルの変化により、肥満の問題に注目が寄せられています。肥満に注目が集まっているということは、そこに大きく関係している中性脂肪にも注目が注がれているということです。

中性脂肪とは

体についたぶよぶよ贅肉は、誰もが気になります。こうした贅肉の大部分は「中性脂肪」と呼ばれる脂肪であり、別名トリグリセリドといい脂肪組織を総称する「体脂肪」のもとです。3つの脂肪酸とグリセロールという物質が結びついてできています。

中性脂肪の役割

何かと目の仇にされる中性脂肪ですが、実は人間が生きていくのになくてはならない役目を果たしています。まず、「エネルギー貯蔵庫」としての役割で、体を動かすエネルギー源として、通常、血液中に含まれる糖分が使われます。この糖分が枯渇したときは、中性脂肪がそのかわりになります。次に、「断熱材」としての役目で、寒い冬なども外気から体を守り、体温を一定に保つには不可欠の存在です。さらに、衝撃を受けたときには「クッション材」として、骨や内臓など、体のさまざまな組織を守ります。

中性脂肪の影響

中性脂肪は、食事の食べ過ぎで余った糖質を材料に肝臓で作られています。また、アルコール摂取によっても中性脂肪の合成が促進されます。さらに肥満の人は、脂肪細胞から脂肪酸が流出し、これを原料にして肝臓で中性脂肪が合成されています。中性脂肪を必要以上に貯めこむのは大問題です。肥満症になるばかりではなく、いったん中性脂肪が増えると、今度はなかなか分解できなくなってしまいます。エネルギーに変換されない中性脂肪は、善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールが増え、その結果血管にコレステロールが付着したり、血液がどろどろになったりして高脂血症に発展します。このほか動脈硬化や虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、肥満症による糖尿病などを発症することもあります。最近の研究では、食後の中性脂肪の増加・持続が、循環器系疾患に最も影響する因子であることがわかっています。また、動脈硬化も日本人の死因の上位を占める心筋梗塞や脳梗塞などの原因になっているだけに、決して軽く見ることはできません。

中性脂肪の症状

中性脂肪は、検査数値が高くてもこれといった自覚症状はなく、すぐに体に悪影響が出るわけではありません。しかし、中性脂肪値が高いままで、長く放置しておくと、血管の老化が着実に進み、動脈硬化から心臓疾患、脳血管疾患に一直線となりかねません。中性脂肪が多い上に、コレステロールも高かったり、高血圧、糖尿病の合併、喫煙、ストレスなどが加わると、さらに動脈硬化の危険が増大します。

食事・日常生活の改善

中性脂肪が多く含まれている食事を摂ってばかりいると、余分な中性脂肪がどんどん蓄積していきます。また、現在は運動不足の問題も注目されています。運動をすることで中性脂肪などの脂肪を燃焼しますが、運動不足になっていると、脂肪が燃焼されずに蓄積します。

-過食をやめる-
摂取カロリーが多い人は減らしましょう。

-バランス良く栄養を摂る-
糖質60%、蛋白質15~20%、脂肪20~25%に近づけ、1日単位で栄養バランスを考えましょう。

-甘いものを控える-
お菓子(砂糖、生クリーム、バターを多く含むもの)、ジュース、コーヒーや紅茶の砂糖やミルクなど、甘いものを控えましょう。

-魚介類と植物性蛋白を増やす-
魚介類(EPAなど)や大豆蛋白質を中心に摂り、肉の刺身や内臓類は少なめにしましょう。

-油脂は固形の油を減らし液状の油に-
EPAやDHA(ドコサヘキサエン酸)を含む魚油がお勧めです。しそ油、大豆油、オリーブ油、なたね油などを中心に選びましょう。

-アルコールを減らし、喫煙をやめる-
日本酒なら1合、ビールなら1本、ウイスキーならW1杯程度(週に2日休酒)にしましょう。節酒で改善しなければ禁酒しましょう。

-植物繊維や抗酸化物質を摂る-
穀類・野菜・海草・果物など積極的に摂取しましょう。

-適度な運動-
有酸素運動(ウォーキング、軽いジョギング、エアロビ、水泳など)を、1日30分以上行うことを目標にしましょう。日常生活の中で、できるだけ身体を動かしましょう。

中性脂肪とコレステロール

中性脂肪とコレステロールを同じものと思っている人がいますが、実は両者は全くの別物なのです。「脂肪」であるということは共通していますが、その働きは異なります。体内に存在している脂肪は、他にも脂肪酸と呼ばれるものもあり、この脂肪酸は生きていくため一番に使われるエネルギーとして活用されます。一方で、中性脂肪というのは、肝臓で作られたり、食事によって摂取されたりして、体内で貯蔵されます。この貯蔵された中性脂肪は、脂肪酸と同様に体内の大事なエネルギーとなりますが、中性脂肪はすぐに使われず、万が一に備えて蓄えられるのです。これらはエネルギーとして活用されますが、コレステロールは、主にホルモンや消化酵素の原料に活用されます。これもわたしたちが生きていくためには重要な働きを持ちます。



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